pipsとは何か
外国為替取引において「pips（ピップス）」は価格変動の最小単位を表す用語でございます。ドル円などの通貨ペアを取引する際、損益や値幅を計算するために必ず理解しておくべき基本概念でございます。pipsは通貨ペアごとに基準が異なり、円絡みの通貨ペアでは通常小数点第2位が1pipsに相当いたします。例えば、USD/JPYが145.00から145.01へ動いた場合、それは1pipsの値動きと数えられます。
ドル円におけるpipsの基本
ドル円（USD/JPY）は小数点以下2桁まで表示されることが一般的でございます。そのため、1pipsは0.01円の変動を意味いたします。
例：
- 145.00 → 145.01 = +1pips
- 145.00 → 144.99 = -1pips
この単位は他の通貨ペア（例えばユーロドルなど）とは異なるため、通貨ペアごとに基準を確認する必要がございます。
pipsとロット数の関係
実際の損益計算においては、単なるpips変動だけでなく取引数量（ロット数）によって金額が大きく変わってまいります。ドル円の1ロットは通常10万通貨を意味いたします。1pipsあたりの金額は以下の計算式で導かれます。
計算式：
1pipsの価値 = （取引数量 × 0.01） ÷ 為替レート
例：USD/JPY = 145.00 の場合
- 1ロット（100,000通貨）の取引
1pips = (100,000 × 0.01) ÷ 145.00 ≒ 6.89ドル
つまり、1pipsの変動で約6.89ドルの損益が発生いたします。
ミニロット・マイクロロットでのpips計算
証券会社によっては1ロットの基準が異なることがあり、ミニロット（1万通貨）やマイクロロット（1,000通貨）単位での取引も可能でございます。数量が少なくなるほど、1pipsあたりの金額も比例して小さくなります。
- 1万通貨（0.1ロット）の場合
1pips = (10,000 × 0.01) ÷ 145.00 ≒ 0.69ドル - 1,000通貨（0.01ロット）の場合
1pips = (1,000 × 0.01) ÷ 145.00 ≒ 0.07ドル
このように、取引数量を調整することでリスクをコントロールできる点が重要でございます。
日本円換算でのpips価値
取引結果を円ベースで把握する場合、ドル換算された損益をドル円レートで掛け戻す必要がございます。
例：USD/JPY = 145.00 の場合、1ロットで1pips動いたときの金額は約6.89ドルでございます。これを円換算いたしますと、
6.89 × 145.00 = 約999円
すなわち、1ロットの取引における1pips変動は約1,000円の損益となります。
スプレッドとpips
実際の取引では売値と買値の差（スプレッド）が存在いたします。例えばドル円のスプレッドが0.2pipsの場合、ポジションを建てた瞬間に0.2pips分のマイナスからスタートすることになります。短期取引を重ねる場合、このスプレッドが大きなコスト要因となるため、pips計算の際には必ず意識すべき要素でございます。
レバレッジとpips損益の関係
レバレッジを活用することで必要証拠金を少なく抑えて大きな数量を取引できますが、pipsによる損益は変わりません。あくまで取引数量とpipsの変動幅によって損益が決まります。レバレッジは証拠金効率を高める仕組みであり、損益そのものを変化させるものではございません。
pips計算の実用例
例：USD/JPY = 145.00
- 取引数量：1ロット（100,000通貨）
- 上昇幅：+50pips（145.00 → 145.50）
1pips = 約6.89ドル
50pips = 6.89 × 50 = 約344.5ドル
円換算 = 344.5 × 145.00 = 約49,000円の利益
このように、わずか50pipsの変動でも1ロットで取引すれば約5万円の損益が生じることになります。
リスク管理とpips
pipsはリスク管理に直結する指標でございます。損切り幅を何pipsに設定するか、利確幅を何pipsにするかによって、トレード戦略のリスクリワード比率が決まります。資金管理を徹底するためには、エントリー前に「何pipsで損切り」「何pipsで利確」を明確に決めておくことが重要でございます。
まとめ
ドル円におけるpips計算は、損益を数値で正確に把握し、リスク管理を行う上で不可欠でございます。1pipsの価値は取引数量と為替レートによって決まり、1ロットでは約1,000円、ミニロットやマイクロロットでは比例して小さくなります。スプレッドやレバレッジを考慮しつつ、常にpipsを基準にリスクとリターンを計算する習慣を持つことが、安定したトレードにつながるのでございます。