MT5の時間表示の基本
MetaTrader5(MT5)は世界中のトレーダーに利用されている取引プラットフォームですが、デフォルトで表示される時間はサーバー時間であり、日本時間(JST)とは異なります。サーバー時間は多くの場合GMT+2またはGMT+3が設定されており、そのままでは日本の取引環境とズレが生じます。そのため、日本時間に合わせてチャートを確認したい方は、時間の仕組みを理解する必要があります。
サーバー時間と日本時間の関係
MT5が表示する時間はブローカーのサーバー時間に基づいています。例えば、XMや他の主要ブローカーのサーバー時間は冬時間でGMT+2、夏時間でGMT+3に設定されています。一方、日本時間はGMT+9です。したがって、冬時間の場合はサーバー時間に7時間を加え、夏時間の場合は6時間を加えることで日本時間に換算できます。
日本時間への変換方法
実際の取引において日本時間で相場を把握したい場合は、以下の方法で調整します。
- 手動で計算する方法
サーバー時間が表示されている場合、その時間に+6または+7時間を加えて日本時間を求めます。- 冬時間(GMT+2)→ 日本時間 = サーバー時間 + 7時間
- 夏時間(GMT+3)→ 日本時間 = サーバー時間 + 6時間
- インジケーターを利用する方法
MT5には標準では日本時間表示機能がありませんが、カスタムインジケーターを導入することでチャートに日本時間を表示することができます。代表的なものに「Local Time Indicator」や「JST Clock」などがあり、これを導入すれば常に日本時間が確認可能です。 - VPSやPCのローカル時間を利用する方法
一部のインジケーターやスクリプトはPCやVPSのローカル時間を参照して表示します。そのため、PCを日本時間に設定しておけば、チャートに日本時間を反映させることも可能です。
日本時間表示が重要な理由
トレードにおいて正確な時間認識は極めて重要です。特に以下の場面で日本時間表示が役立ちます。
- 経済指標発表
米国雇用統計やFOMCなどの重要指標は日本時間で深夜から早朝にかけて発表されます。サーバー時間のままでは発表時刻を誤認する可能性があります。 - 市場のオープン時間
東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場のオープン時間を正しく把握することで、値動きが活発化する時間帯を予測できます。 - 取引戦略の検証
バックテストや検証の際に、日本時間ベースでエントリー・決済のタイミングを分析することで、実際の生活リズムと一致した取引戦略を組み立てられます。
日本時間表示の設定手順(インジケーター利用)
MT5で日本時間を表示させる具体的な流れを解説します。
- インジケーターの入手
信頼できるFXコミュニティやブローカーの配布サイトから日本時間表示用インジケーターをダウンロードします。 - MT5への導入
ダウンロードしたインジケーターをMT5の「MQL5」フォルダ内の「Indicators」へコピーします。 - 再起動してチャートに適用
MT5を再起動し、ナビゲーターからインジケーターをチャートにドラッグ&ドロップします。 - 表示確認
チャート上に日本時間が表示され、サーバー時間との比較が容易になります。
スマホ版MT5での日本時間表示
スマートフォン版のMT5はPC版と同様にサーバー時間を基準としています。アプリ内で日本時間に直接変更することはできませんが、スマホの世界時計機能を利用してサーバー時間と日本時間を比較する方法が一般的です。また、時間変換アプリを併用すればよりスムーズに確認できます。
日本時間とサマータイムの注意点
欧州や米国ではサマータイムが採用されています。そのため、ブローカーのサーバー時間も年に2回切り替わります。この切り替えを正しく把握しておかないと、経済指標や市場オープン時間を誤って認識するリスクがあります。特に3月と11月の切り替え時期は注意が必要です。
日本時間表示の応用活用
- アラート機能と組み合わせる
経済指標発表の日本時間に合わせてアラートを設定すれば、重要イベントを見逃すことがありません。 - トレード日誌への活用
日本時間で取引履歴を記録することで、取引の振り返りや戦略改善に役立ちます。 - 生活リズムとの一致
日本時間で把握することで、自身の活動時間帯に合った取引スタイルを確立できます。
まとめ
MT5はサーバー時間を基準にしており、そのままでは日本時間とズレが生じます。日本時間での正確な取引を行うためには、サーバー時間とJSTの差を理解し、必要に応じてインジケーターを導入することが有効です。経済指標発表や市場オープン時間を正しく把握し、日本時間基準でトレード戦略を立てることが成功の鍵となります。